【作品紹介】
高齢の父の介護の現実を綴りました。父は在宅医療のお世話になり愛する我家で亡くなりました。在宅医療では、ドクターやナースが往診してくれますが、完全看護の病院のように、患者を彼らに任せておくことはできません。家族の献身的な介護・看護が必要不可欠です。それは、体力と気力の勝負です。排便の処理、つまり汚物を片付け、汚れた部位を清浄し、新しい紙パンツをは穿かせるなどの仕事も、基本的には、家族の分担となってきます。慣れ親しんだ自宅で人生を終えたいと思うのは誰しも同じです。そのためには、現在の医療制度では、この方法ぐらいしかありまん。ご家族にも仕事はあるでしょうし、どなたも気力や体力が溢れているわけではありません。より一層の制度の充実が必要であると感じています。
文芸思潮エッセイ賞で入選の作品です。文学賞受賞歴:https://zuishun.net/ichizyunogura/2/#1
小倉 一純
