【作品紹介】
直近の「文芸思潮」エッセイ賞で、佳作をいただいた作品です。大学受験の時の様子を綴っています。この前年、「絶望から希望へ」で奨励賞(銅メダル)を取りましたが、今回の作品ではその上を目指していました。
作品は、時間をかけて煮詰めているのですが、結局、文学賞は<コンペティション>です。
文芸思潮の結果が開示されると、今世界の関心が集まっている「ガザ」地区の和平に関して綴られた作品が<最優秀賞>(金メダル)に輝いていました。
次点以降の作品にも、史実などを反映した、ジャーナリスティックな側面の強い作品が多く並んでいます。
文芸思潮の編集長(トップ)である五十嵐 勉先生は、新人賞レベルの小説家であるとともに、その体内には<ジャーナリストの血液>が流れています。
若い頃、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーなど東南アジアの紛争地域に身を置き、現地の<朝日新聞記者>に、ジャーナリストのイロハを伝授されたのだとか。
僕としては、前回作品「絶望から希望へ」(銅メダル)を越える作品を書いたつもりでしたが、今回のコンペティションでは、逆に順位を落とす結果となってしまいました。
文芸思潮に「評価コメント」(有料)をお願いすると、審査委員のチェックやメモ書きなども追記された、応募原稿の写しが添えられて届きます。それによると、1ページの<「僕の前に道はない。僕の後ろに道はできる」受験生の僕は、高村光太郎の詩の一節を思い出していた。>と、2ページの、<——僕の場合であるが、>は、不要ではないかと示唆する印が付けられていました。その通りかもしれません。
余談だが、トップ画像の青函連絡船の煙突に赤い文字が見える。<JNR>と書かれている。
Japanese National Railways:日本国有鉄道、つまり<国鉄>の意味である。国鉄が現在の<JR>となったのは、僕らの世代では、社会人になった後である。
小倉 一純
前途晴朗なり

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